第2回 班会議 議事録


NEONATAL RESEARCH NETWORK 
厚生省児童家庭局 こども家庭総合研究事業
平成10, 11,(12)年度厚生科学研究
「超低出生体重児の後障害なき救命に関する研究班」(分担研究者 藤村正哲)
「超低出生体重児における超早期授乳の検討」

11月17日、16:00~19:30
岡山国際ホテル  岡山市

出席者:藤村正哲、田中敏博、西久保敏也、氏家二郎、石田明人、  
青谷裕文、平野慎也、市橋 寛


1 文献検討 <文献上での安全性の検討>


1)出生後24時間以内の授乳開始について
出生後24時間以内に授乳を開始している報告も見られ、特に早期に開始したことによる弊害は見られない。多くの施設では授乳開始は早くて2〜4日、遅ければ2週頃となっている。
2)NECの発症頻度について
対照群に比較して頻度が高いという報告は見られない。しかし全く安全とは言いがたく否定はできない。全体としては安全の方へ傾いている。
3)授乳量について
開始の授乳量は我々のプロトコールでは約8ml/KG/dayに対して12, 20,24ml/KG/day と多量の開始がほとんどであり、その後の増量も多くの報告で早期に120Cal/Kg/dayを目指しているために多量の増量がなされている。
 
以上より現在おこなっている我々のプロトコールによる授乳に関しては文献上危険性はないことが確認された。

2 もらい乳に関して(田中先生より報告)


ヨーロッパにおいては古くから母乳銀行という形でもらい乳が行われている。既知の病原体に対する対策はなされているが、未知の病原体に関しての安全性は否定できない。これらの点をふまえて各施設での独自のフィロソフィーにてもらい乳を行うかは決定されれば良いと考えられる。聖霊浜松病院においてはもらい乳は行っていないが、出生後24時間以内に母乳が分泌される例も2、3見られ(他の一同驚嘆、努力不足を痛感させられる)これらの母乳の出ている児においては出生後24時間以内の超早期授乳を行うことにするとの報告あり。他の母親もほとんどが48時間以内には母乳の分泌が認められるようになるとのこと。

 もらい乳に関しては各施設にて行うかどうかは決定することとする。

3 予備先行試験の進行状況と問題点


1)プロトコールについて
・授乳開始時間について
もらい乳を行わない施設のことを考慮して、48時間以内には母乳の分泌が認められることが多いという点より、24時間にこだわらなくてもよいのではという意見も聞かれたが、今回は出生後24時間で開始するということで試験が始められたためこのまま24時間でいくこととする。
・増量に関して
現在のプロトコールでは順調に哺乳が進むようになった後の増量の速度ではゆっくりすぎるという意見が多く見られたため、授乳量が30ml/Kg/dayを越えれば後は各々の施設の方針で増量してもよいこととする。また1日の授乳回数は8回にこだわらずに12回でもかまわない。
・一時中止後の授乳再開に関して
中止解除後はすみやかに中止前の投与量まで戻し、この後はまたプロトコールにのとって行う。
授乳中止期間、あるいは減量の期間とこの理由についての記載を行う。
・授乳の目標
Full feedingの目標として120ml/Kg/day という意見もあるが、100ml/Kg/dayを目標とする。 
・カロリーの規定について
欧米の研究ではカロリーの投与量を対照群と同量にしてコントロールスタデイーをおこなっているが、同じにしなくてもよいのかという質問があったが、この試験は早期に授乳を開始するメリットを検討する試験のため同じにしなくてもよいということにする。

2)症例の登録に関して
・もらい乳っを行わなかった症例の登録について
授乳開始時間がもらい乳を行わない理由にて24時間以内に開始できなくても、72時間ぐらいまでに開始できればその後の詳細な調査用紙への記載は行い報告する。これらの症例についても後に検討を行う。
・有害事象について
有害事象とはプロトコールの項目に載っていない事でこの試験に影響をおよぼしたことがらとする。

3)ホームページについて(青谷先生よりの報告)
現在の症例の登録は計26例であり、このうち不参加群は9例である。
加古川市民病院の石田先生のメールアドレスがなにかの混乱で認識されておらず、ホームページへの登録のパスワードが連絡されていなかったために登録が出来ない状態にあるとのこと。青谷先生からもう一度パスワードを伝えてもらうこととする。

4 今後の進め方


1)現在行っている予備先行試験について
 この12月までの症例をまとめて2000年の開催の日本新生児学会に報告する(演題申し込み締めきり2000年3月)。このための症例検討会を次回の班会議にて行う予定。

2)来年度開始の本試験について
2000年の開催の日本新生児学会の前日に本試験に参加を希望される施設の代表の先生方に集まっていただいて説明を行う。この後本試験開始とする。まだ日時は不明。

3)次回の班会議について
演題申し込み締めきり2000年3月という期限があるためこの前に集まっていただきたいと考えています。候補として来年の周産期学会の前日あたりではどうかと考えています。その節はどうか宜しくお願い致します。

5 その他


1)end pointについて
 最終end point は1.5歳、3歳での発達の評価になるため、発達の客観的な判定をするために新版K式発達検査を各施設で出来ることが必要。

2)研究費について
NRN班(藤村班)全体で300万円ということです。インダシンの試験施設も加わりますのであまり期待はしないほうがよいとのことです。